この本をご存知でしょうか。
「光とともに・・・」という自閉症児を扱った漫画です。
この本の存在は何かでよんで知っていました。
確かドラマにもなったと思います。
でも私は幸いなことにというか不幸なことにというか全くこんな問題に目を向ける必要もなくこれまで過ごして来ました。
今回一人の自閉症児を私の教室で預かることになりました。
うちの子を見て欲しいといわれたTくんのお母さんの申し出に実はかなり戸惑いました。 ほとんど二つ返事で断ろうと思ったくらいです。
でもこの場で断ったらあまりにも失礼だと思って「体験レッスンをさせてください。それからのお返事で良いでしょうか?」と伝えました。
それでも半分以上は断ろうと思っていました。 他の子と一緒に出来るだろうかという不安。 私に指導できるだろうかという不安。
また私には自閉症児に対する知識が全くありません。 どう対応したらいいのか、たった週に1時間だけなのに自信がもてません。
そんな私にTくんのお母さんが持ってきてくださったのがこの本です。
もちろん一人一人症例はちがいますが少しでも私の助けになればと思ってくださったようです。
体験レッスンの結果はもちろん会話は成り立ちませんが他のことは問題なくクリアしています。 順番にこだわる。 電車の音にこだわるという困った面も見られましたが話しによるとパニックを起こすことも最近はないそうです。
すこし向き合ってがんばってみようと前向きになりました。
最初から断ってしまえば私は楽だし他の子に気を使う必要もない。
でも逃げてるような気がしたのです。 きっとたくさんのいわれのない偏見を受けてきたに違いないこの子に試しもしないで断るのは卑怯な気がしました。
同じクラスになる子お母さんにまず確認を取りました。
すると「うちの子のためにもなると思います。」という明るい返事。
つぎに同じクラスになる子たち。 「一緒でいい?」って聞いたら「いいよ」って。 でも「途中で嫌だって言わない?」って念を押しました。
一人はTくんの弟なので余計に容赦ないような気がして。
ずっと何が出来るんだろう、私が何かしてあげることが出来るのだろうかって考えていたとき、ふと、週に一時間で私が何か出来るなんて思っていることが驕りなのではないかと思いました。
この出会いはT君のためではなく私のために与えられたものではないかと。
少しは勉強しなさい・・・って事だと受け止めています。
とにかくがんばって見ます。 決めたのですから。